「春」クロード・モネ

モネ‐春
春」あるいは「読書する女性」1872年

クロード・モネのこの絵画は、ライラックの木陰で読書する最初の妻カミーユ・ドンシューが描かれています。(アメリカのメリーランド州ボルチモアにあるウォルターズ美術館が所蔵。)

ライラックの花言葉は、「思い出」「謙虚」。過去の美しい瞬間や大切な人への想いを物語ります。

この絵画の物語を知れば、まさにこの花言葉がぴったりだと感じることでしょう。


カミーユ・ドンシュー

カミーユ
Camille Doncieux(1847‐1879)

カミーユ・ドンシューは美しく才能のあるモデルで、当時多くの芸術家と仕事をしていました。

ルノワールや、マネもよくカミーユを絵画に描いていたので彼らの絵画にも登場してます。

1860年代から1870年代にかけて、彼女はモネの絵画のモデルを務め、最終的には彼の最初の妻となります。

結婚後もカミーユはモネのミューズであり続け、彼女から様々なインスピレーションを得ました。モネが初期に描いた家庭生活の場面ではしばしば主人公となっています。

春」あるいは「読書する女性」

1871年の終わり、モネは家族でパリの北西にある小さな町、アルジャントゥイユに引っ越します。

セーヌ川沿いにあるこの町には、自然がたくさんあり、モネの家には、自然を愛した印象派の画家たちが頻繁に訪れます。ルノワール、ベルト・モリゾ、カイユボット、マネなどと庭で絵画をよく楽しんでいました。

この「春」あるいは「読者する女性」と題された絵画もそのようにして作られました

桜の花びらに見える?

モネ、春

この絵画は穏やかな家族生活の美しさを描いたとても感傷的な作品です。全体がその瞬間の優しさを物語っています。

モネは、薄いピンク色のドレスを着た、木の下で静かに座って本を読むカミーユを描きます。光が差し込み、その木漏れ日が、桜の花びらのように見えませんか?

カミーユは読書に夢中で、とても快適そうです。シンプルな光景ですが、当時のモネはそのシンプルさの中に隠された美しさを大切にしていました。こんな雰囲気の中で読者を楽しみたいものです。

ライラックの花言葉「思い出」

悲しいことに、カミーユは1879年に病気で亡くなってしまいます。

モネの2番目の妻、アリス・オシュデは、カミーユとモネの人生のすべての写真と思い出の品を破棄するよう命じました。嫉妬でしょうか。幸運にもこの絵画は生き残り、絵画を通してカミーユのイメージを感じることができます。

「思い出」過去の美しい瞬間や大切な人への想いを物語るライラックの花言葉

この絵画にぴったりだと思いませんか?

太陽の光が草の上で踊り、温かく包みこまれるような感覚を覚えるこの作品。モネの描く絵画が大好きです。

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