オルセー美術館
印象派の宝庫で
自由な発想で美術を楽しむ
古き良きものを愛し、自由な発想で美術を楽しむ。
この記事では、オルセー美術館に訪れる前に知っておきたい、「建物の歴史」「訪れたからには見逃せない10作品」をご紹介しております。
魅力を知れば、さらに美術館巡りが楽しくなること間違いなし。皆さまの素敵なアート時間のお手伝いができれば嬉しいです。
それでは、色と美の旅へと出発しましょう。
オルセー美術館
オルセー美術館は印象派美術の膨大なコレクションに焦点を当てており、パリで2番目に訪問者数が多い美術館。 (もちろん1番目はルーヴル美術館)
印象派画家で有名な、ドガ、セザンヌ、マネ、ルノワール、モネ、ゴッホなどの名作を、楽しむことができます。
建物の歴史
オルセー美術館の建物も芸術作品なんです。
1900年の万国博覧会のために建設された、当時のボザール様式の鉄道駅舎兼ホテルでした。1939年まで、オルセー駅として市の終着駅の1つであったため利用率は非常に高かったそうです。
第二次世界大戦後、近代化に伴いその機能を失った駅は使用されなくなり、1960年に取り壊す計画が立てられました。
しかし市民や政治家を巻き込んだ激しい抗議運動が巻き起こり、フランス美術館総局の提案によって取り壊しを免れ、1986年にイタリア人建築家のガエ・アウレンティの主導のもと美術館として蘇りました。
‐美術館に生まれ変わる
古き良き19世紀のパリの面影を色濃く残す建築と、貴重な傑作の数々を鑑賞しようと毎年 300 万人以上の人々が訪れています。駅の面影がありますね。
コレクション(1848−1914年)
オルセー美術館は 1848年から1914年までの芸術に焦点を当てており、世界で最も広範な印象派美術コレクションを所蔵しています。
博物館の 1 階の中央には印象的な彫刻のコレクションがあり、両側には1848年から1870年に遡る絵画が展示されています。
これらすべての驚異の中で、オルセー美術館に慣れていない方にとっては、どこから始めればよいのか、難しい場合がありますよね。
そんな方たちのために、オルセー美術館を訪れたら見逃せない10作品をまとめました。これら傑作を観ないと、帰れませんよ!
1.「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」ルノワール
1976 年にルノワールによって描かれたこの壮大な絵画、生命力とエネルギーに満ちています。
モンマルトル地区の人気のカフェを舞台に、典型的なパリの風景が描かれています。背景にはたくさんのダンサーが見えますね。多くの印象派の作品と同様、さまざまな感情を呼び起こし、会話、音楽、笑い声のざわめきが聞こえてきそうです。
もし絵画の中に入れるなら、あなたはダンサー?カフェ派?
2.「シロクマ」フランソワ・ポンポン
フランソワ・ポンポンは、カミーユ・クローデルやオーギュスト・ロダンの彫刻助手を務めた後、動物彫刻、特にパリの植物園で観察した動物の複製を専門としました。
彼はリアリズムから離れ、「動物の本質そのもの」を表現しようとします。 1923年から1933年にかけて彫刻されたこの作品は、彼の最も有名な作品の 1 つです。
滑らかな曲線から、シロクマの毛の柔らかさが伝わってきますね。
オルセー美術館には他にも動物の作品がたくさん。また改めて、動物好きな方におすすめの作品を、ご紹介しますね。
3.「オランピア」エドゥアール・マネ
オルセー美術館で展示されているマネのもう一つの傑作『草上の昼食』を取り巻く騒動から 2 年後、彼は挑発的なこの絵画を展示し再び、スキャンダルを引き起こしました。
裸でベッドに横たわり、静かに鑑賞者を見つめる女性。マネの描いたこのヌードは女神ではなく、現代の女性のヌードです。
近代絵画の父と称されるマネ。しかし当時は、マネの天才性を理解している人はほとんどいませんでした… マネの野心的な作品がなければ、今日使われている絵画技法や芸術作品は生まれていなかったのかもしれません。
4.「自画像」フィンセント・ファン・ゴッホ
この肖像画は、ゴッホによって描かれた一連の自画像の中で最も有名なものの 1 つです。
彼がなぜ自画像をたくさん描いたのか、それは経済的な理由によりモデルを雇うことができなかったためでした。ゴッホは、渦巻く青い背景に、衣装を着た自分自身を描きます。
静止しているゴッホと、渦巻く背景に、不安定さが伝わってきます。当時、どんな心境でゴッホはこの絵を描いていたのでしょうか。
5.「ローヌ川の星月夜」フィンセント・ファン・ゴッホ
続いてご紹介するのもゴッホの作品。
最も有名な星月夜はニューヨーク近代美術館にありますが、オルセー美術館で展示されている星月夜は1888年にゴッホによって初めて描かれたものです。
これはローヌ川近くの静かな夜を表しています。満天の星空が水面に反射して輝いていますね。前景の恋人たちの人生、どのようなものだったか想像してみてください。
6.「14歳の小さなダンサー」エドガー・ドガ
この世界的に有名な彫刻作品のモデルは、パリのオペラ座のバレエダンサーであるマリー・ファン・ゴーテン。本物のチュチュ、本物のトゥーシューズ、そして本物の髪の毛で作られています。
ドガはバレエ好きで、オペラ座の定期会員となっていました。モネやルノワールなどと同じ時期に画家として活動し、人物画、特にバレエを習う踊り子たちの作品を多く残しています。
身体の動きや顔の表情から、踊り子たちの気持ちまで伝わってくる絵画も楽しんでくださいね。
7.「青い睡蓮」クロード・モネ
モネは、睡蓮から大きなインスピレーションを受け、200点ほどの作品を生み出し、世界中の美術館に収蔵されています。
この絵は200×200と非常に大きな作品であり、絵画には珍しい正方形のキャンバス。彼はジヴェルニーの自宅に水の庭園を作り、そこでこれらの花を栽培し、この絵のインスピレーションの源となりました。フレームや境界線、地平線、空などが表示されていないため、この絵画には抽象化と無限の感覚がにじみ出ています。
池の中にきっと秘密が隠されているのでしょう。
8.「リンゴとオレンジ」 ポール・セザンヌ
セザンヌは静物画の巨匠であり、この絵画は彼の最も有名な作品の 1 つです。
「りんごでパリを驚かせたい」これは、セザンヌの口癖でもありました。一つの物体を様々な角度から描いたキュビズムとも関係のあるセザンヌの独特のスタイル、この絵眺めていると、リンゴとオレンジが動き出しそうな感じがしませんか?
まるで生きた果物、そんなスタイルを得意としました。
9.「落ち穂拾い」ジャン・フランソワ・ミレー
ミレーの最高傑作であるこの作品は、3人の農民の女性が、収穫後の麦畑にこぼれ落ちた稲穂を拾い集めている様子を描いたものです。
農村社会を描いたことで知られており、当時、落ち穂拾いをしていたのは、生計を立てることが難しい、特に貧しい人々だけでした。つまり、落穂を拾うことで生活の足しにしている様子。
農民の美徳を描いていると賞賛する人々の一方で、多くの否定的な批判も浴びました。
10.「タヒチの女(浜辺にて)」ポール・ゴーギャン
この絵画は1891年にフランスの芸術家ポール・ゴーギャンが自由と原始的な美を求めて、タヒチに渡ったその年に描いた作品。
花柄のパレオを着た彼女の後ろ姿は、少し悲しげにも見えます。右側のピンクのドレスを着た女性は葉っぱを織って、退屈そうな表情を浮かべているようにもみえます。
この神秘的な雰囲気こそ、ゴーギャンがタヒチという未開の地に求めていたことなのでした。
併設カフェ・レストラン
美術館内にはいくつか併設のカフェやレストランがあります。雰囲気と厳選されたフランス料理をお求めなら、かつての鉄道駅舎の中心部にあるLe restaurant du Musee d’Orsayへお立ち寄りください。
Le restaurant du Musée d’Orsay
ダイニングルームは歴史的建造物として指定されており、天井にはガブリエル フェリエとバンジャマン コンスタンによるフレスコ画、シャンデリア、金箔の装飾で装飾されています。レストランには美術館の入場券でアクセスできますよ。レストランの詳細はこちらをクリックしてご覧ください。
Café Campana
軽食を楽しみたい場合は、大きな時計台の裏側にある、Café Campanaがおすすめです。ブラジルの現代アーティスト、カンパーナ兄弟によるインテリアも楽しめます。異なる材質や色彩を取り入れた、幻想的な空間になっています。こちらも美術館の入場券でアクセスができます。
館内サービス
オルセー美術館では、車椅子、杖、折りたたみ椅子、ベビーカーをご希望の方は、身分証明書と引き換えに無料でご利用いただけます。
身体の不自由な方も大歓迎で、ご本人と介助者は入場無料です。館内にはエレベーターとスロープが設置されています。
また、1階にはベビーエリアがあります。赤ちゃんのオムツ替え台もあり、ベビー連れには嬉しいサービス。これらのサービスのおかげで、みなさんでアートを楽しめますね。
Informations
住所 | Esplanade Valéry Giscard d’Estaing, 75007 Paris |
営業時間 | 09:30 − 18:00(木 −21:45) |
定休日 | 月曜日 ※ほか不定休あり |
料金 | オンライン購入16€、窓口購入14€ (混雑を避けるためオンラインでので事前購入をおすすめします)18歳未満無料 |
公式サイト | https://www.musee-orsay.fr/en |