「パリの通り、雨」
雨の日のパリはお好きですか?
曇った空、雨に光る石畳、オスマニアン様式の建物、雨から身を守る人々。これは今日のパリの光景でしょうか?
Gustave Caillebotte
1877年にフランスの画家、ギュスターヴ・カイユボットによって描かれた「パリの通り、雨」と題されたこの絵画。
オスマン男爵が1852年から1870年にかけて取り組んだ大規模なパリ改造の直後、雨の日のパリの街を歩くブルジョワ階級の情景が描かれた作品です。
オスマン男爵のパリに魅了されたカイユボットは、「パリの通り」を描くことで彼に敬意を表しました。
規則的な建物が並ぶこの真新しいパリは、画家たちにとって素晴らしい探求の場です。
第3回印象派展に出品されたこの絵画は、批評家たちから好評だったそうですよ。
オスマン男爵が行ったパリ改造、オスマニアン建築について詳しく知りたい方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。
「パリの通り、雨」について
−描かれている場所
Saint-Lazare駅からわずか数分のところにある、この交差点は、近代的な街並みに改造されたばかりのパリの一角。
カイユボット自身の自宅も近くにあり、彼にとってなじみの通りでした。
絵画と同じ景色を歩いてみたい方は、Place de Dublinに訪れてみてください。一体、絵画と現在の街並み、何が変わってるのでしょうか。
−最新ファッション
登場人物は、最新のファッションに身を包んでいます。
女性はベール付きの帽子、ダイヤモンドのイヤリングを身に着け、1877年には「モダン、あるいは最新のファッション」と表現された控えめなドレスを着ています。
男性は口ひげ、帽子、蝶ネクタイ、白いシャツ、襟を立てた長いオープンコート、彼らはまさに中産階級の人々です。
オスマン男爵によって変革した美しいパリは、ブルジョワ階級の人々がファッションを人に魅せる場所としても機能したのです。
道路にはタクシーの代わりに、馬車が見えますね。カイユボットの絵画では、人物と遠近法が遊び心をもって並置され、男性が車輪のついた車から飛び降りるように見え、その傘の下端からは別の人の脚が現れています。
−等身大のサイズ
この絵画は 212 x 276cmのキャンバスに描かれた油絵で、現在シカゴ美術館に所蔵されています。人物はほぼ等身大で描かれているんですよ。
前景に描かれたすべての人物は、作品の水平の重要な点を構成する正中線上にあります。他の登場人物は、大通りによって形成される 2 つの対角線に沿って遠ざかっていきます。
この構成により、絵画のバランスと調和が保証され、前景の人々は全体的なものではなく、私たちに非常に近く、実際の大きさであるため絵の中に引き込まれていく感覚になります。
何を見ているの?
街灯柱の前にいるカップル、彼らの目は何かに引き寄せられているように見えます。何が彼らをそんなに夢中にさせるのでしょうか?
ぜひカップルの会話や、面白い発想を思いつきましたら、コメント欄でシェアしていただけたら嬉しいです。